どういう病気なの?
猫白血病ウィルスによってリンパ腫、白血病、貧血、免疫の抑制など様々な病態が引き起こされ、予後に注意が必要な病気です。
どうやったら感染するの?
感染は主として唾液を介して起こります。つまり、咬む、舐める、グルーミングするといった行動によるため、ウィルスを持っている猫と同居している猫がいる場合や、外にでる猫の場合は注意が必要です。
子猫は感染している母猫のおなかの中にいるときに胎盤を介して感染し、また、哺育されることによって感染する事もあります。
どうやったら感染を防げるの?
外に行く猫や、白血病ウィルスに感染している猫と同居している猫の場合はワクチン接種が勧められます。そして、なるべく一緒にいないようにし、一緒のお皿で食事を取らないようにします。
また、家の中に新しい猫を入れる場合は、受け入れる前にウィルスがいないか検査をする事が勧められます。
どんな症状があるの?
お家でわかる症状としては元気・食欲の低下、嘔吐、呼吸困難、発熱、口内炎、歯肉炎などです。
その他にも目の異常や、おなかの中のしこりなど、色々な症状がみられます。
どうやったら診断できるの?
病院で採血をして専用の検査セットを用いてウィルスがいるかどうか検査します。この検査は20分位で結果が出ます。
また、補助的な診断法として、血液検査で内臓の機能を調べたり、血液を顕微鏡で観察したり、臓器の細胞を採取して検査する場合もあります。
どんな治療法があるの?
この病気は、発症した場合には完全に治ることが難しい病気です。治療をしても白血病ウィルスは体の中に生存しており、後に再発する事が多く、完全な治癒が望めません。しかし、症状を改善して、生活の質を向上する事はある程度可能な病気です。
点滴やステロイド、吐き気止めなどの補助療法を実施します。
リンパ腫を発症している場合は抗がん剤を使用して治療していきます。
抗がん剤の組み合わせによっていくつかの方法があるため、相談して決めていきます。
貧血がみられる場合は輸血をする事もあります。
猫白血病ウィルスに感染したらどのくらい生きられるの?
猫白血病ウィルスに感染はしてはいるものの、症状を示していない猫は、数年間にわたって症状がないまま経過する事があります。 リンパ腫や白血病などを発症した場合は、積極的な抗がん剤治療を実施すると、平均生存期間は6カ月と言われています。しかし、これらを発症しても稀に長期間生存する事もあります。