どんな病気?
ネコ免疫不全ウイルスに感染しておこる病気で、長い潜伏期間を経て発症し、その名の通り自己の免疫力が弱くなり普段なら排除できる病原菌にも容易に感染し衰弱、最終的には死に至る可能性のある病です。
どうやって感染するの?
主にケンカです。ウイルスは唾液中および血液中に多量に含まれ、エイズの症状である口内炎のひどいネコが感染していない猫を咬んだりして感染します。報告では、外ネコの約10%は感染していると言われています。実際には集落的に感染しており、たとえば池下の外ネコは0%だけど、今池の外ネコは80パーセント感染してる、ということもあります。
外にでるならまずワクチンは必須でしょう。
後は、交尾、母ネコの母胎からの垂直感染(子供に直接感染してしまうこと)があげられますが、ケンカよりは確率はだいぶ低くなります。
また、このウイルス、実は感染性が弱く、普通の日常生活(感染しているネコと感染していないネコが一緒の食器を使うetc…)では感染しません。
予防方法
近年、ワクチンが開発され毎年に一回のワクチンでほぼ100%予防が可能となっています。
ワクチンを接種していれば、感染しているネコと同居する事が可能です。
知っていてもらいたい事!
まず、人間のエイズとは似ているけど異なります。当然ヒトには絶対に感染しません。もちろん、イヌにも。
感染がわかったからといって必ず発症するとはかぎりません。発症までには個体差があるので、発症する前に天寿を全うするネコもたくさんいます。
診断方法
病院で採血をして専用の検査セットを用いてウィルスがいるかどうか検査します。この検査は20分位で結果が出ます。
一緒に白血病ウイルスの有無も調べる事ができるキットもあります。
感染したらどうなっちゃうの?
まず、感染初期には一時的な発熱があります。ただ長くとも一週間で おさまるので、ここで気づく飼い主さんはほぼいません。
その後長い潜伏期間があります。この間は無症候キャリアー期と呼ばれ、ほとんど健康なネコと変わりありません。
ただし、口内炎は起きやすく、免疫力も一部は健康なネコよりも劣ります。
長い潜伏期間を経て、少しずつエイズ関連症候群期に移行します。これは顕著な口内炎、それに伴う食欲不振、風邪などの病原菌、ウイルスへの抵抗力の低下が挙げられます。体重減少がこの時期よりはじまります。
その後約半年から一年かけて、発症(エイズ期)に至ります。
痩せ細り、衰弱します。また腫瘍などを併発する事もあります。抵抗力は無に等しく、いろんな病原菌に無力となるので結果、呼吸器疾患などにかかり亡くなることが多いです。
治療法は?
この病気は一度発症すると確実に死に至ります。一度感染したらウイルスを体から排除することはできません。 そのため、出た症状に対する対処療法しかないのが現状です。
何とかならないの?
先ほどの通り、感染=発症ではなく、感染してからも5年、10年生きるネコもいます。これには体のリンパ球の免疫が大きくかかわっているのです。
感染したら、外には出さず、室内で飼うことによりその後の生存期間の延長が大きく期待できます。外は病原菌、縄張り争いなどのストレスにより免疫力が低下するリスクが高いからです。感染したネコちゃんの体調に気を使い大切に育ててあげることで長く生きれる可能性は十分にあります。