乳腺腫瘍とは
乳腺にできるしこりを乳腺腫瘍といい、その中で悪性のものが乳癌と呼ばれます。猫の場合、80~93%が悪性(乳癌)と言われています。
乳腺腫瘍は猫で3番目に多い腫瘍です。その発生にはホルモンの影響があるのではないかと言われています。
一般的に乳癌は成長が早く、数日で大きくなってしまう事もあります。また、成長するにつれてリンパ節や肺、胸膜、肝臓などに転移します。
早期発見、早期治療が大切で、腫瘍がまだ小さいうちに治療を開始したほうが本人の負担も少なくてすみます。
どんな症状があるの?
腫瘍ができても最初のうちはとくに苦痛もなく、食欲・元気も変化がありません。しかし、腫瘍が成長するに従って炎症や化膿などが見られるようになり、転移による呼吸困難を起こす事もあります。
どんな治療があるの?
人間の場合と同じように、腫瘍の治療の第一選択は手術になります。猫の場合は悪性の可能性が高いため、腫瘍だけでなく周りも切除する必要があります。そのため、皆さんの想像より傷口が大きくなる場合が多いです。
また、手術で取りきれなかったり、転移が認められる場合は、抗がん剤を使用する事もあります。
手術はかわいそうなんだけど・・・・?
確かに、麻酔をかけて体にメスを入れると考えるとかわいそうかもしれませんが、手術を躊躇しているうちに腫瘍が摘出困難なほど大きくなってしまったり、ほかの組織に転移したり、体力が低下して手術に耐えられなくなる例も少なくありません。乳腺腫瘍が悪性の場合、腫瘍の大きさによって生存期間が大きく変わるため、早期に適切な処置が必要となります。
手術は安全なの?
残念ながら、乳腺腫瘍に限らずどんな手術も100%安全とは言い切れません。特に乳腺腫瘍の場合は高齢であることが多いため、リスクはさらに高くなります。このため、手術に耐えられる状態であるか、ほかに転移はないかを調べるため、術前に血液検査やレントゲン検査を行います。