肥大型心筋症ってどんな病気?
肥大型心筋症は猫で最も認められる心臓疾患です。
甲状腺機能亢進症などに付随して発症する事もありますが、多くは原因不明です。
左心室と言われる部位の筋肉が肥大し、血流がうまく流れなくなる事によって肺の中に水が溜ったり、不整脈が現れたり、血栓症が発生します。
8カ月から16歳の猫で報告があります。
どんな症状があるの?
軽度のものは無症状のまま経過する場合もあります。
病気が進行するに従って元気がなくなったり、肺の中や肺の外に水が溜まる事による呼吸困難、血栓症による後ろ足の麻痺などがみられるようになります。
どうやって診断するの?
聴診によって心臓の雑音や不整脈がないかを調べます。
レントゲンやエコー検査によって心臓の大きさや、心臓の筋肉の厚さ、肺の状態を確認します。
その他、心電図検査、血圧測定、甲状腺ホルモン測定などがあります。
どんな治療をするの?
症状が重篤でなければカルシウムチャネル遮断薬やACE阻害薬などの内服薬で経過をみていきます。
呼吸困難がみられる場合は酸素室に入院し、利尿薬を投与する必要があります。
また、血栓症による後ろ足の麻痺がみられる場合も入院して治療していきます。
肥大型心筋症になったらどのくらい生きられるの?
重症度によって異なりますが、症状がみられない場合の生存期間の中央値はおよそ5年間と言われています。
肺の中や外に水が溜った場合(肺水腫と胸水)がみられる場合は3カ月と言われています。
病気が重篤化してからでは症状を改善する事は難しく、早期発見、早期治療が重要です。