原因と症状
外耳炎とは、耳の中(外耳道)の皮膚に様々な細菌が感染して炎症を起こした状態です。
耳が垂れたワンちゃんやネコちゃん、耳の中に毛が生える品種、耳の穴が狭い品種は耳の中の通気性が悪く、外耳炎を起こしやすくなります。
また、アレルギー体質の子は皮膚の感染を起こしやすく、外耳炎になりやすいのです。
細菌性の外耳炎では、感染している細菌の種類や程度によって様々な耳垢が出ます。多くはドロッとした悪臭のあるものです。ひどい場合には耳の中から膿が出ます。
炎症を起こして耳の中が赤くなったり、ひどい場合には出血も見られ、頭を振ったり、耳をかゆがったりします。放置しておくと、外耳炎から鼓膜を損傷して中耳炎となり、さらに進行すると内耳炎になります。ここまでくると、首を片方に傾けたままになる(斜頸)、同じ方向に回ってしまう、目がピョコピョコと動く(眼振)、嘔吐などの神経症状が現れます。
どんな治療をするの?
○病院での治療
耳道に毛が生えている場合はできるだけ取り除きます。
耳道内を消毒薬で洗浄して耳垢を取り除き、耳の中を清潔にした後、耳の中に抗菌剤を点耳します。
最初のうちはあまり間隔を開けないで(3日に1回ぐらい)通院していただき、上のような処置をします。よくなってきたら、少しずつ間隔を開けることができます。
重症の場合は内服薬も処方します。
○お家での治療(必要な場合)
指が届く範囲の耳垢を取り除き、1日1~2回、点耳薬を耳道に2~3滴入れ、よくマッサージします。炎症があって痛がったり出血してしまうことが多いので、耳道内を綿棒などで掃除したりするのは避けてください。シャンプーなどをする場合は病院に連れてくる前日にしてください。そうすれば、耳に水が入っても翌日に耳掃除ができますので。
他に気をつけることは?
細菌は耳の中だけでなく皮膚にも感染することがあります。特にアレルギー体質の子は皮膚の細菌感染を起こしやすく、併発しているケースがあります。
このような場合は、内服薬や抗菌シャンプーを処方します。
外耳炎がいったん治っても再発するケースが多いので、よくなった後も月に1度は健康診断を兼ねてお耳を見せてください。早めに治療すれば、それだけ早く治りますから。
また、別の子を一緒に飼っている場合、他の子にもうつっている場合があります。一人だけ治療しても、またその子からうつってしまうこともありますので、一緒に暮らしている子も診せてください。