猫のかぜ(猫風邪)
猫のかぜ(猫風邪) について
猫のかぜ(猫風邪)、上気道感染症を引き起こす主な感染病原体は、ヘルペスウイルスとカリシウイルスで、この2つ合わせると上気道感染症の約 90% を占めます。他の病原体には、クラミドフィラ、マイコプラズマ、ボルデテラなどで、抗生剤と抗ウイルス剤の内服、点眼 ネブライザーで治療します。感染した猫の世話をする人間を介して、おもちゃ、トイレ 食器を共有するだけで簡単に感染します。
猫のかぜ(猫風邪)の原因病原体のなかで最も多いのが猫ヘルペスウイルスFHV-1で、比較的低い温度で増殖し、ウイルスが結膜、角膜、鼻、咽頭、扁桃上皮などの低温の表面を標的とするため、クシャミ、鼻水、結膜炎、かすれ声などの症状がでます。感染率が60%を超える地域もあるため、現在無症状でも、ご家庭に迎える前に既に感染している可能性があります、
猫かぜ(猫風邪)の一番の原因である、猫ヘルペスウイルスFHV-1は治癒しても、生涯にわたって保菌者となることがあります。ペットホテルに預けたり、新しい猫を導入したり、引っ越し、避妊手術などのストレスを受けると、ストレスを受けた1週間前後で再発します。
猫のかぜ(猫風邪)の原因ウイルスであるカリシウイルス変異型、新型劇症カリシウイルスFCV-VSDが2000年に初めて発見され、アウトブレイクして世界中に広がり、日本でも感染が確認されております。感染力が強く、乾燥した分泌物の中でウイルスが最大 1 か月以上生存することができ、除菌も難しく、効果的な薬もありません。死亡率も60%になります。
目次
1猫のかぜ(猫風邪)の主な症状
2猫のかぜ(猫風邪)の原因
3猫のかぜ(猫風邪)治療法(皮下輸液、吸入 点眼)
4猫のかぜ(猫風邪)の予防接種はありますか?
5猫のかぜ(猫風邪)の消毒
6猫のかぜ(猫風邪)死亡率60%以上 新型劇症カリシウイルスFCV-VSD
1猫のかぜ(猫風邪)の主な症状
猫かぜ(猫風邪)の主な症状はくしゃみ、鼻汁、涙目、咳、口腔潰瘍または鼻潰瘍、熱、かすれた声、食欲不振です
2猫のかぜ(猫風邪)の原因
猫のかぜ(猫風邪)、上気道感染症の病原体は非常に伝染性が高く、猫が集団で生活している場所なら猫のかぜの病原体どこにでも存在し、感染した猫に接触、世話をする人間、おもちゃ、トイレ 食器を共有するだけで簡単に感染します。
猫のかぜ(猫風邪)は、地域によって感染率が60%以上になり,症状があるかどうかに関係なく、猫が引き取られた時点ですでに感染している可能性が非常に高いです。
子猫は免疫システムが未熟なため、症状が重くなり,一度感染した子猫は成長しても持続感染し、ストレスによって免疫システムが低下するたびに症状が現れる可能性があります。
ペルシャ、エキゾは平らな顔面をしているため、猫カゼ上気道感染症にかかりやすいです。
ヘルペスウイルスは、猫から離れると 18 時間しか生存できません。カリシウイルスはより強力で、最長 30 日間生存します。塩素漂白剤はどちらのウイルスにも有効です。
子猫は、猫のかぜ(猫風邪)、上気道感染症が長引きます。ストレスの多い出来事の約1週間後にヘルペスを発作し、さらに数週間は活発にウイルスが排出され、他の猫の感染源になります。症状は猫が生きている間繰り返される可能性があります。カリシウイルスに感染した猫は、ストレス時だけでなく継続的にウイルスを排出し、生涯排出し続ける可能性があります。ヘルペスを発症した猫から数週間は他の猫に伝染します。カリシウイルスに感染した猫は、感染後数か月間伝染力があります。
猫かぜ(猫風邪)で、猫が食べたり飲んだりしなくなった場合、入院が必要になります。鼻汁で失われる水分によって脱水症状を引き起こし、特にカリシウイルスが関与している場合、目、鼻、または口に痛みを伴う潰瘍が形成されることがあります。
カリシウイルスは遺伝的に極めて多様で、多数の株が存在します。ヨーロッパのの研究では、46 の株が分離されました。家庭内でも複数の株が同時に循環している可能性があります。猫の集団 (多頭飼育家庭、ブリーダー、ペットショップ シェルターなど) に新しいカリシウイルス株が導入されたり、複数の株に感染した個体が発生すると、ウイルスの組み換えイベントが発生し、ウイルスの遺伝的多様性が増加します。毒性は感染した猫種によって異なります。中国で発生したトラ由来株は飼い猫の罹患率と死亡率が 100% でした。子猫は特に肺炎になることが多く、死亡率が高いです
カリシウイルス感染は、跛行子猫症候群と言われる 発熱を伴う急性で一過性の跛行をおこすことがあります。跛行は、急性の呼吸器症状の数日から数週間後に発症します。
3猫のかぜ(猫風邪)治療法(皮下輸液、吸入 点眼)
猫のかぜ(猫風邪)、上気道感染症の治療方法は、重症度、ウイルス感染を合併する細菌感染があるかどうかによって異なりますが、抗生物質の他に抗ウイルス薬が必要になることもあり、入院も必要になります。経口薬や点眼薬が処方され、重度の猫には、吸入抗生物質の投与、水分を維持するために静脈内または皮下に輸液を投与します。
猫のかぜ(猫風邪)の抗生剤
ヘルペス、カリシに次いで最も一般的な猫カゼ、の病原体の、クラミドフィラ フェリスと気管支敗血症菌、どちらもテトラサイクリン系抗生剤が効果的です。
当院ではテトラサイクリン系抗生剤のドキシサイクリン+ヘルペスウイルスに有効なアミノ酸であるLリジン+鼻水くしゃみに有効な抗ヒスタミン剤+免疫をあげるインターフェロンを 処方しております。
猫のかぜ(猫風邪)の抗ウイルス剤
猫のかぜ(猫風邪)の重症例では細菌感染に対処するだけではよくなりませんので 子猫にも安全性が高い、抗ウイルス薬を早期に積極的に使用します。
抗ウイルス剤のファムシクロビルが現在猫ヘルペスウイルスに最も効果的である薬です。
猫のかぜ(猫風邪)の点眼
ヘルペスウイルス性の眼病変(結膜炎 角膜炎)にはIDU点眼が非常に効果的ですが、静菌的点眼ですので、1日に6回の点眼が必要になります。
4猫のかぜ(猫風邪)の予防接種はありますか?
ワクチン接種は、猫のかぜ(猫風邪)、上気道ウイルスを完全に予防できることはできませんが、毎年の追加接種で症状の重症度を最小限に抑えることができます。猫の予防注射ガイドライン ☛クリック AAHA/AAFP 猫ワクチン接種ガイドライン
5猫のかぜ(猫風邪)の消毒
猫のかぜ(猫風邪)の消毒;5% 次亜塩素酸ナトリウム
猫のかぜ(猫風邪)、のほとんどの 病原体は、環境中で数時間 (ヘルペスウイルス) から数週間 (ボルデテラ) しか生存できず、日常的に使用される消毒剤で死滅します。猫カリシウイルスは例外で乾燥した分泌物の中で最大 1 か月以上生存することができますので厳重消毒する必要があります。カリシウイルスは、家庭用漂白剤 (5% 次亜塩素酸ナトリウム) を 1:32 に希釈し、食器や猫のトイレ(猫の体には塗布しないでください)に塗布することで死滅しまます。(塗布した後は水で洗い流してください)カリシウイルスはアルコールで確実に不活性化されないため、一般的に使用されている手指消毒剤は効果がありません。
6猫のかぜ(猫風邪)の死亡率60%以上 新型劇症カリシウイルスのアウトブレイク
猫かぜ(猫風邪)の原因ウイルスの一つであるカリシウイルスの 劇症型が世界中で広がっています。
新型劇症カリスウイルスFVC-VSDは、2000年に発見され、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、 韓国、香港でも確認されています。日本でも2008年に初めて報告がありました。最初は出血性カリシウイルスと名付けられていましたが、出血が一貫して観察されなかったため名前が変更され新型劇症カリシウイルスと呼ばれています。新型劇症カリシウイルスは、有効な治療法が見つかっていません。いくつかの抗ウイルス剤が試験管レベルでは効果が認めれれていますが、生体では効果が確認されておりません。感染力が強く死亡率は60%以上と非常に高いです。回復しても生涯保菌者となるので、非常にやっかいです。海外では新型劇症カリスウイルスのアウトブレイクによって閉鎖に追い込まれた動物施設が複数あります。
2024年の論文:韓国では新型劇症カリスウイルスの死亡率が72%に達してます。
👉韓国における韓国における院内猫カリシウイルス関連強毒性全身性疾患の発生
2016年中国の黒竜江省のシベリアトラの糞からから 家猫の死亡率100%のカリシウイルスが分離されています。
クリック⇒当院は夜間も年中無休で緊急対応しております
名古屋夜間救急動物病院 こざわ犬猫病院☛アクセス